糞土師&トビ座の「中卒トリオ」が底辺から仰ぎ見る、この楽しき世界!

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生には死が、死には生が含まれている

ーー死生観についてはどう考えていますか?

佑之助 死は、生まれ変わるということだから、別に悲しくて辛くて暗いことではない。好きなことをやりながら死ねるのが、一番幸せなのかなと思います。

 そうだね。私の父は、死んだものは生まれ変わるという考え方です。以前ある芝居が終わったあとで父の同級生が来て「姉貴が死んだんだ」と叫んだら、みんなシーンとなった。

でも父は「大丈夫だよ。死んだら生まれ変わるからね」と言って。周りは何言っているんだと眺めていたんですが、私も基本的にはそう思います。

 でも人が死んだときに、悲しいとか切ないという気持ちになるのも大事だと思うんです。ただ、死というものは重くて辛いので、病院で延命することも多いですが、死なないようにとずっと引っぱっているのはダメなんじゃないかなとも思うんです。

父の作る芝居には小さい生き物がたくさん出てきますが、生き物だと別に死んでも悲しくありません。カマキリが「昨日自分の旦那を食べてもうた〜」と演じても、お客さんは悲しくない。

それもあって、虫の芝居をやるそうです。自然界ではコロコロ死ぬもんなんだって。自然なことだし、死を身近に感じるのも大事ではないかなと。

佑之助 生には死がついていると誰しもが思っているけれど、死に生がついているとはあまり考えていないですよね。

 死んだら終わりって?

伊沢 今まではそうだよね。私は、死んだものがちゃんと自然の中で生き返るということを、ウンコと死体を一緒にして考えた。ウンコは食べた物が消化吸収されてカスになったもので、死体は生きていた肉体が死んで役立たなくなったもの。

だから同じだと考えたら答えが出た。どちらも自然の中に置けば、他の生き物に食べられて新しい命に蘇るから。

 そういうことを伊沢さんは物理的に明確にされていますね。昔の人は死んで土になると言いましたが、はっきりとではなくても、生まれ変わる概念が民俗的に存在していたと思うんですよ。

伊沢 そう。でもそれは観念の世界。私の場合はウンコを通して物理的にはっきり見たんだよね。

 それがすごくいいなと。ウンコから新しい芽が生え、キノコが生まれたことを自分で見られたら、物理的に生まれ変わっていると実感できるから。それが幸せなことだと思います、純粋に。

佑之助 そうそう。

伊沢 2人はあの芝居を作ったからそういうことを言えるのかもしれないね。

 普通に考えたら「しあわせな死」というのは、後悔なく死ねるとか、やりたいことをやって死ねることだと思うんじゃないかと思うのですが。

伊沢 自分個人が納得する死だよね。でもそこに命を受け渡すという考えはないよね。

 伊沢さんの仰っている「しあわせな死」は、次に繋がるということじゃないですか?

伊沢 そうそう。自分がいなくなっても、その分次の後釜が生きていってくれるという。

 繋がっていくのが大事なのかなって。

佑之助 そうだね。

伊沢 萌ちゃんと佑之助君の存在はすごく貴重! だから2人の世界を色々な人にいかに繋ぎ、広げるかというのが大事だね。

<了>

(構成・写真/大西夏奈子)