糞土思想をひとことで言えば「食は権利・ウンコは責任・野糞は命の返しかた」
肉魚、野菜穀物、キノコなど、人は生きるために多くの生き物を食べて命を奪っています。しかし自分で栄養を作れないヒトにとって、それは仕方のない生きる権利です。
食べれば必ずウンコが出る。しかもウンコは臭くて汚い。つまりウンコは、多くの命を奪っただけでなく、食べ物を汚物に変えた自分自身の責任の塊です。
ところが自然の中でウンコをすれば、それは多くの様々な生き物に食べられ、新たな命に蘇ります。つまり野糞は、人が自然と共生するための、命の返しかたなのです。
糞土思想のもう一つの柱が「うんこは己を映す鏡」
ほとんど全ての人は食べて奪った命のことなど考えもせず、当然のようにトイレにウンコを流しています。しかしそれは、生態系の命の循環を断ち切る無責任な行為です。日々のウンコにきちんと向き合うことは、自分自身の生きる責任に向き合う第一歩です。
しかし「野糞は不衛生で環境を汚染する病気の元」と考える人は少なくありません。それを防ぎ、自然にも人にもやさしいのが「正しいノグソのしかた」です。
「場所選び、穴掘り、葉で拭き、水仕上げ、埋めて、目印、年に1回」
分解力の弱い所や水源地、人に迷惑をかける場所などは避けます。穴を掘り、紙は使わず土に埋め、分解後の富栄養化を防ぐため目印に枯枝を立て、次の野糞まで1年は間をあけます。
また、土に埋めたウンコが新しい命に蘇ることを実地に検証した「野糞跡掘り返し調査」の記録もあります。詳しくは、以下の参考資料をぜひご覧ください。
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参考記事
「野糞を続けて43年「奥さんよりもウンコを選んだ」伊沢正名の信念」(朝日新聞with news /2017年)
「野ぐそ歴46年!「ウンコロジー入門」著者が実践する“自然との共生” 」(AERA dot./2019年)
「千回ノグソした男 うんこから考えるSDGs」(Yahooニュース/2019年)
「The ‘poop soil master’ is dumping it outdoors」(英字新聞ジャパン・タイムズ/2019年)
「10,000回以上野糞をしたおじさんと対談!? よきき納得の理由とは」(YouTube withnewsチャンネル/2019年)