マナちゃん14歳とマサナちゃん69歳、互いの人生に大衝撃を与え合っちゃったお話

活かせない知識なんて、トイレウンコと同じだ!

──なぜ眞名さんはノグソを行動に移そうと思ったんですか?

眞名 小学校5~6年生の担任だった前野翔大先生が、「迷ったらやってみよう」っていつもおっしゃっていて。それまでの私は「どうしよう、やろうかな、まあいいかな、やらないでおこうか」みたいに思うことが多かったんですが、前野先生の影響で、やりたい気持ちもあるから迷うんだなって。やってみて失敗しても絶対に価値があるものになるからっていうのを教えてくださったんです。

左が眞名さんの元担任の前野翔大先生

伊沢 まさに私も同じだよ。むしろ失敗して学んでるんだ。思いついたらまずやっちゃって、だいたいしっかり考えてないから失敗のほうが多い。でも失敗すれば、こうやったらダメだっていうことがわかるし、それが学びだよね。前野先生って素晴らしいね。

対談翌日、前野先生のクラスで伊沢さんが授業を行った

眞名 前野先生から教えてもらったことが今でも自分の中にあって、それが大きいと思います。あと、命を返すというのが、どうして自分にしっくりきて実行できたのかなと考えたら……。

私は年長のときに仏教系の幼稚園に通っていたんですが、園長先生が命のことをいつもお話されていて。この世の中のものにはすべて命があるから、決して粗末にしてはいけないって。それが小さいときから自分の中にあったと思います。

そうして当時まで11年間生きてきた中で、いろいろな人から教えてもらったことが積み重なって、あのとき行動に移すことができたのかなって思います。

伊沢 眞名ちゃんは知識を活かしているよね、殺していない。単に持っているだけじゃなくて、それを生活の中で実行して活かしているのが素晴らしい。

そういう意味で、眞名ちゃんがキャンプに来ていたのは、偶然なのかもしれないけど、運命的な出会いかなって思っているんだよ。今回だって眞名ちゃんのおかげでこうして姫路に来られたわけだもんね。

──伊沢さんが眞名さんから受けたインパクトとは、どういう感じでしたか?

伊沢 初めて会ったときは小学5年生で、それでここまで理解してくれたっていうのがね。前から私は教育って大事だと思っていたけど、正直に言うと、小学生以下の子にどう接していいかわからなかったんだ。

興味の持ち方も全然違うから。だから普通に講演したのに、それを眞名ちゃんがしっかり受け止めてくれて、ああこういう子もいるんだって嬉しかった。その後、他の場でもすごく反応のいい子どもたちに出会ったんだけど、そのきっかけとして眞名ちゃんの存在って大きいよなあ。

それまでは頭の固い大人相手にどうしたらいいか考えてたけど、むしろ子どもたちに信頼感を持てた。ああ、これからは子どもや若者への教育だってね。だから私の人生は大きく変わりました(笑)。

──眞名さんはキャンプに参加して、何か変化がありましたか?

眞名 はい。伊沢さんの講演で、キノコを上から見下ろすのではなくて下から見上げるという写真がありました。いろんな方向から見てみたら意識が変わったりするよと教えていただいて、それも自分の中で今後に生きるかもしれないなあと思って。

たとえば、少し苦手な人がいるんですけど、一歩離れて見ようかなという考え方になって。ちょっと楽になって救われたっていうのはあります。

伊沢 なんか成長してるよね。そういうところを大人達に見習えって言いたいくらい。だって大人はなかなかできないもんそういうこと、すごいね。